路地裏の映画保存活動[海外篇]
2008-12-12 | filmpres | trackbackAMIAとSEAPAVAA、そして《世界思視聴覚遺産の日》
次に、視聴覚アーカイブに関連する団体をみてみましょう。以下は視聴覚アーカイブ協会調整協議会(CCAAA)に所属している8団体、数字は設立年です。Joint Technical Symposium(JTS)の主催8団体とも合致します。
Co-ordinating Council of Audiovisual Archives Associations CCAAA
視聴覚保存機関連絡協議会■ Association for Recorded Sound Collections ARSC 1966
■ Association of Moving Image Archivists
映像アーキビスト協会 AMIA 1991■ International Association of Sound and Audiovisual Archives
国際音声・視聴覚アーカイブ協会 IASA 1969■ International Council on Archives
国際公文書館会議 ICA■ International Federation of Film Archives
国際フィルム・アーカイブ連盟 FIAF 1938■ International Federation of Library Associations and Institutions
国際図書館連盟 IFLA■ International Federation of Television Archives
国際テレビアーカイブ機構 FIAT/IFTA■ Southeast Asia-Pacific Audiovisual Archive Association
東南アジア太平洋地域視聴覚アーカイブ連合 SEAPAVAA 1996
HMDを設立した仲間たちは、現在はNPO法人ホームムービー・センターを立ち上げていますが、そもそものきっかけとなったのは映像アーキビスト協会(AMIA)と呼ばれる組織です(本部:米国LA、個人会員数750)。日本からの入会者は驚くほど少なく、その原因はFPSにも正直なところ、よくわかっておりません。何れにしても映画保存に興味を持つ者が、何はともあれ入会する団体がAMIAです。入会には何の制約もなく、年会費さえ支払えば良いのです。
SEAPAVAAは2年前に活動範囲をアジア全域に広げ、FPSも賛助会員として、2007年のカンボジア会議から参加しています。残念ながら今のところ、日本からはFPSが唯一の加盟団体ですが、東アジアからは香港電影資料館が積極参加しています。SEAPAVAAの創設者の一人で、FPSの生みの親でもあり、NPO法人ホームムービー・センターほか数々の組織の役員をつとめるレイ・エドモンドソン氏(その華々しい経歴はとてもここには書ききれませんので、Archive AssociatesのHPをご参照ください)はまた、ユネスコ《世界視聴覚遺産の日》の推奨者でもあり、AMIA会議を北米以外の都市で開催する運動を提唱したり、SEAPAVAA加盟視聴覚アーカイブをJTSに招聘したりと、国際交流を積極的に進めています。
それに呼応して、オセアニアだけでなく欧米からも有能な映像アーキビストがSEAPAVAAに参加していますが、SEAPAVAAの中で日本の存在感は皆無に等しく、国際的な潮流から置き去りになっている事実には唖然とするばかりです。ボランティア団体であるFPSはあらゆる意味で力不足で、情けないことに何の貢献もできていません。実際に皆さん自身が参加することで、SEAPAVAAがいかに重要な組織であるのかを確かめていただいたいと切に願います。
SEAPAVAAについて、詳しくはこちらをご参照ください。
世界視聴覚遺産の日 “World Day for Audiovisual Heritage”について、詳しくはこちらをご参照ください。
レイ・エドモンドソン氏の著作「視聴覚アーカイビング:その哲学と原則」は、フィルム保存を学ぶ者にとって極めて重要かつ和訳されている数少ない文献の一つです。FPSは現在、NFPFの「フィルム保存の手引き:文書館、図書館、博物館のための基礎知識」のほか、パオロ・ケルキ・ウザイ(著)「Silent Cinema: An Introduction」(BFI)の翻訳に取り組んでいます。
基礎テキスト1「家庭でもできるフィルム保存の手引き」(AMIA、IPI)
基礎テキスト2「フィルム保存の手引き:文書館、図書館、博物館のための基礎知識」(NFPF)
*日本語版は2008年12月公開予定/現在は会員のみ閲覧可能
基礎テキスト3「視聴覚アーカイビング:その哲学と原則」(ユネスコ)
ところで、AMIAやSEAPAVAAのニューズレターやウェブサイトには、映像アーキヴィストのための年間カレンダーが必ず掲載されています。以下に例として2008年のイベント・リストを載せました。星★はFPSが何らかのかたちで参加した/参加する印です。
[2月]
★第3回アジア・アーカイブスセミナー Third Asian Seminar on Audiovisual Archives 東京→『メルマガFPS』Vol.33
第3回《ユネスコ 国際視聴覚遺産の日》会議 キャンベラ オーストラリア
[3月]
ARSC会議 パロアルト USA
[4月]
第64回FIAF会議 パリ フランス
[5月]
★韓国映像資料院祭(リニューアルオープン) ソウル→『メルマガFPS』Vol.36
[6月]
★第12回SEAPAVAAマニラ会議 フィリピン→『メルマガFPS』Vol.38 – 40
★FIAFサマースクール/チネマ・リトロヴァートボローニャ イタリア→『メルマガFPS』Vol.39?
[7月]
第16回国際公文書館会議 クアラルンプール マレーシア
[8月]
第74回国際図書館連盟会議 ケベック カナダ
[9月]
FIAT会議 コペンハーゲン デンマーク
[10月]
★ポルデノーネ無声映画祭 イタリア
★ホームムービーの日
ユネスコ 世界視聴覚遺産の日
[11月]
★AMIA会議 サバンナ USA
尚、FPS会員による海外の関連施設訪問、会議/映画祭参加等の報告は、おもに《月刊メルマガFPS》に掲載しています。当HPのトップページからご登録いただけます。入手した資料等は資料室に所蔵がありますので、興味をお持ちの方はぜひご利用ください。
FPSのHPの英語版は一時的に閲覧できない状況になっています(2008.09.15現在)。担当者が復旧につとめておりますので、今しばらくお待ちください。FPSでは、活動内容をできる限り日本語と英語の二カ国語で報告するよう努力しています。学問としても、実践の上でも、映画保存の取り組みは国内だけに閉じこもって進められるものではありません。海外から多くの情報を吸収するだけでなく、自らの活動成果を発信し、国際交流を進めることを心がけています。
《月刊メルマガFPS》のバックナンバーはこちらです。
FPS映画保存資料室について、詳しくはこちらをご参照ください。所蔵データベースはこちらです。
(石原香絵)
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