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水損フィルム(8mm)の応急処置

2011-08-16 | sinwa | trackback

本テキストはビデオガイド(USTREAM)とあわせてご利用ください。PDF版」や「簡易電子出版」(Puboo)もご活用ください。このほか、英語版テキストもご用意しております。

準備するもの:ゴム手袋(介護用/医療用)、マスク、筆記用具、定規、デジタルカメラ、バットまたはバケツ、歯ブラシ(できるだけ小さい子ども用サイズ)、タオル、ガーゼ、紐、ゼムクリップ(できるだけ小さい文具用クリップ)

あると便利なもの:エプロン、写真フィルム用のスポンジ(家電量販店等の写真用品コーナーで500円程度で販売されている)、団扇または扇風機、ドライウェル(家電量販店等の写真用品コーナーで250ml 300円程度で販売されている)、ルーペ
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【備考1】
・現地で入手困難な物品につきましては、当窓口までご相談ください。
・ビデオガイドの撮影には、40×25cm(深さ15cm)のバットに5リットルの水を入れて使用しました。サンプルとして洗浄したのは15mの長さの8ミリフィルム(シングル8)です。撮影は7月下旬に実地したので、フィルムは30分程度で乾きました。乾燥時間は環境によって変動するため、乾いているかどうかは慎重に確認してください。

● はじめに

海水などに浸かった映画フィルムの最も有効な救済方法は、収集保存機関や現像所などの専門施設に早急に届けることです。なぜかというと、ロール状のまま固まってしまうブロッキングという症状や、カビ・バクテリアの発生など、致命的な損傷を避けるためには、できるだけ早く適切な洗浄を行い、乾燥させる必要があるからです。しかし、全ての国・地域に受け入れ可能な専門施設が存在するわけではありません。ここで説明する簡易洗浄は、専門的な知識や技術を持たない方でも実行可能な応急処置として考案しました。この簡易洗浄だけでは長期的な保存にはなりませんが、二度と見られなくなる致命的な結果は回避できる可能性が高まります。少しでも不安をお持ちの方や、戦前の古いフィルムなど貴重なコレクションをお持ちの方は、事前に当窓口までご相談ください。

● 事前確認(フィルムの「種類」と「状態」の2点を識別する)

(1) フィルムの「種類」の識別

映画フィルムには35mm、16mm、8mmなどの種類があります。35mm、16mm、8mmはフィルム幅から簡単に識別できます。これから説明する簡易洗浄の主な対象は、一般家庭で保管されていることが多い「8mm」です。


(左から8ミリ、16ミリ、35ミリ)


(左がスーパー8、右がダブル8)

幅が8mmの映画フィルムが「8mm」です。また「8mm」の中でも〈スーパー/シングル〉と〈ダブル〉の二つの形状が存在します。フィルムの穴(パーフォレーション)の大きさが異なりますが、スーパーもダブルも同じ工程で洗浄できます。35mm、16mmも短いフィルムなら洗浄できますが、長くなると取り扱いが難しいので、長尺のフィルムをお持ちの方は当窓口にご相談ください。


このようなカートリッジに入っている真っ黒なテープは「映画フィルム」ではなく、磁気テープです。お持ちの方は、当窓口にご相談ください。

(2) フィルムの「状態」の識別

簡易洗浄する前に、以下の3つ(A〜C)にあてはまるフィルムを除外してください。
A: 汚れているだけで濡れていないもの、もしくは濡れた後で完全に乾いてしまったもの。。
B: フィルム全体が固まってロールがほどけないもの、もしくは粘着性を帯びてロールをほどく時にバリバリと音がするもの。
C: エマルジョン(画像)が既に溶けているもの、もしくは触るとエマルジョンが剥げ落ちて透明になってしまうもの。

諸条件によりますが、水損フィルムは2週間以内であれば簡易洗浄で救済できる可能性が高いので、2週間以内を目安としてください。それ以上経つとBやCに当てはまる可能性が高まります。BやCの状態にあるフィルムを洗浄すれば、画像に損傷を与えることになります。また、Aのように濡れていないフィルムにも、カビやバクテリアが発生することがあります。A〜Cに該当するフィルムをお持ちの方は、当窓口にご相談ください。

ビデオガイド その1 作業前の5つの注意点



Video streaming by Ustream

① リールやケースに文字情報があれば、フィルムを洗浄する前に書き写したりデジカメで撮影するなりして記録を残してください。洗浄によって消えてしまう可能性があります。
② フィルムを扱う時は、必ずマスクとゴム手袋を着用してください。
③ ゴム手袋が用意できず素手で触る場合は、フィルムのエッジをはさんで持ってください。濡れたフィルムの表面を素手で強く触ると指紋が残ることがありますので、できるだけ触らないでください。
④ 水に対するフィルムの耐性を確認してください。フィルムのトップ付近を水で塗らしたガーゼで軽く拭き、しばらくして変形(カーリング)がないか確認します。酸っぱい臭いがするフィルムは、水に浸すとスルメをあぶったように急激に収縮して丸まってしまうことがあります。そのようなフィルムは洗浄できません。
⑤ フィルムはロール状のまま乾燥させないでください。ロール状のままフィルムを乾燥させると、貼り付いて固まってしまう恐れがありますので、注意してください。ロール状のままフィルムが乾燥しはじめたら、水道水に浸すか、霧吹きなどで加湿してください。

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