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はじめて物語番外編 「映画の里親」

2007/3/2 | nakagawa | trackback

テレシネをしてわかること

:インスペクションも現像所にお任せすればいいのですが、自分でやってみると、どの程度傷んでいるフィルムが、どこまで復元されて、スクリーン上でどう再現されるか実感できるんです。但し、くれぐれも慎重に扱ってくださいね。

:了解です。

:さて、インスペクションが終わったら、現像所にフィルムを持ち込んで、テレシネをお願いしましょう。フィルムをVHSまたはDVDに変換してもらうんです。サイレント作品の場合、ここで正しい映写スピード(FPS)(S1)と上映時間も判明します。

:あ、そうか。映写スピードが違うと上映時間も違ってくるんですね。

PSAN4.gif:そう。例えば「モダン怪談」の場合、FPSが24だとたった9分にしかなりません。ちょこまかとした人間の動きは面白くもあるけど、なんだかぎくしゃくした感じですね。動きが自然に感じられるのはFPSが16のときでした。この数値を適正映写スピードといいます。ほとんどの映写機はFPS24でしか駆動しませんから、せめて上映のときには適正映写スピードを明記するべきでしょう。ほかに、版違いも把握する必要があります。

:版?

:ほら、短縮版の話を以前にもしたでしょう。「モダン怪談」の場合、そもそもオリジナルだったら35mmで5巻もののナイトレート・フィルムはずなのに、見つかったのは16mmでたったの2ロールでした。でもダイジェストになっていて、話の筋は通っています。題名があるかどうか、クレジットはどうか、最後に「終」とか「完」などのエンドマークがあるかどうかも確認しましょう。

strips.jpg

:いろいろな特徴を調べないといけないんですね。でもDVDになれば、繰り返し作品をみることができて便利ですね。

P:そうなんです。画面を一時停止して字幕を全部書き写すこともできます。でもどういうわけか、映画の面白さはよくわからないんですよ。

F:いったいどうして?

P:うまく説明できないんだけれど、面白いはずのギャグに笑えなかったり、哀しい場面で泣けなかったり、女優さんがあまり魅力的に思えなかったり、いい味をだしているはずの脇役陣や小道具にさっぱり目がいかなかったり……あとでスクリーンでみたらまったく印象が違いました。どうしてでしょうね。ともかく、何度も繰り返しみて画面から得られるだけの情報を得たら、次に作品のことをより詳しく知るための文献調査に移りましょう。

メモ

SCHAN4.gifS1:サイレント時代の映写スピードは一秒間に16コマ、18コマなど作品によって様々でした。

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